1997年▼18歳のぼくの周囲には、音楽が好きならザ・ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』はとりあえず聴いとけ、みたいな空気が漂っていた「ような気がする」▼その<とりあえず>に甘んじて軽く聴いて知ったふりをしているのは負けの「ような気がして」、オリジナル盤発売から31年目のこの年に出た、このボックス CD に手を出した▼国内盤で、定価12233円。じぶんにとっては勇気の要る高額な買物だったが、開封するや、連日引きこもって舐めるように音を聴き、穴があくほどブックレットを読んだ▼ところで、このアルバムを初めて聴いたのは、1995年頃だったと記憶する▼実家の近所にツタヤができて、1枚1500円、3枚まとめ買いすると3000円の輸入盤 CD のバーゲン・コーナーでぐうぜん出合った▼グループ名に<ビーチ>とあるのに動物園で写真を撮っているこの人たちとこのアルバムには何か事情がありそうだという直感がはたらいたのと、表1にレイアウトされた文字に採用された「クーパー」という書体に魅かれて購入したのだった▼発売60周年となることしは、このボックスから抜粋されたトラックを収録したアナログ盤が出るらしいけれど、18歳のぼくに電話をかけて、買うべきか訊ねてみたら何と答えるだろう。たぶん、NO だろうな。