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国立奥多摩美術館館長の
他の美術館に行ってきた!(Vol.27)
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Art Center NEW
『NEW Days』
会期:2025年6月1日〜7月20日
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2025年5月31日(土)雨。横浜の、みなとみらい線・新高島駅の地下に新たにオープンした「Art Center NEW」のオープニングイベントに行ってきた。行ってきたというか、4月5月は、僕が主宰している美術施工の会社「奥多摩美術研究所」で、この場所の空間をつくるために連日、仲間と共に通って作業をしていた。この場所は、吉祥寺で17年ほど「Art Center Ongoing」というスペースを運営してきた一般社団法人Ongoing代表の小川希さんが、横浜市と共に新たに動き出したものだ。オープニングには300人以上の方々が集まり、駅と直結した1000㎡以上ある巨大な空間が、多くの人々で賑わっていた。こけら落としの展覧会として「NEW Days」というタイトルの8人のグループ展が行われていた。最初の展覧会タイトルにも使われ、スペース名にもなっている「NEW」という言葉は、昨今すでに訳する必要もないほど日常の中で使われている。あえて直訳すると「新しい」である。一方通行の時間の流れの中に今があり、その今から見て、少し先に新しさはある。新しかったものは時間が経ち、新しくなくなり、更なる新しいものの登場で、古いものになってしまう。新しくあるためには、常に今の世界の少し先に向かって、物事を投げかけ続けなければならない。止まってしまったら、新しくはいられない。「NEW」というスペース名を聞いた時、「Ongoing(現在進行中の)」という言葉を掲げて動き続けてきた小川さんが、さらに先を見据えて動き続けるという宣言のように感じた。美術は、まだ誰も見たことがない新しいものを追い求めてきた。それは人間が、新しいものに心を動かされてしまう生き物だからだと思う。しかし、近年の情報で溢れかえった世界で、新しい物や事が、新しくいられる時間がどんどん短くなってきてしまっているように感じる。ただの新しいものは、あっという間に陳腐なものになってしまう。新しい新しさとはなんなのか?Art Center NEWがそんなことを問いかけ続ける場所になることを期待している。ぜひ行ってみてください。(佐塚真啓)
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西の風新聞掲載